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横着の代償…続き。

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私は一昨日横着をした…。

その結果、上掲画像文中の様な事態に陥った…。

しかし私は慌てなかった!

私とて『ロードバイク歴3年10ヶ月の自転車乗り』…パンク修理やチューブ交換などお手の物…。

ツールボックスの中には替えのチューブがある…。

貼り付けるだけで事が足るパッチもある…。

エアーを入れる為の分解組み立て式のポンプもある…。

一体何を慌てろというのか!



そして私はツールボックスを開いた…。

「エアー足してこのまま走るか…億劫がらずにチューブ交換をするか…」

といった事を考えながら…。

「横着した結果こういう事態に陥ったのだから、やはりここは正道に返ってチューブ交換をしよう!」

ようやくそう思った私が備品をチェックしたところ、ポンプとチューブをジョイントする金色のネジの様な物がない事に気が付いた。

私の顔から血の気が引いた…。



私はあるエッセイを思い出していた…。

『産地から直接取り寄せた最高級の大トロ!それに合うピカピカの新米!おろしたての香る山葵!誰もが最高の美食の一刻を想像するであろう』

『しかしもしそこに醤油がなかったら…最高級の大トロは唯の生臭い魚片と化し、新米も山葵もそれをどうする事もできないのだ…』

といった内容だった…。

私はそれを読んだ時

「そんなバカバカしい事態に陥る訳ないじゃん?」

「思いっきり仮定の話だよ!」

とせせら笑ったものだった。

しかし『思いっきり仮定の話』ではない現実がここにある…。

いま私の目の前にあるのは、スペイン製の格好良い高級ロードバイク…。

それをサポートするチューブもポンプもパンク修理パッチも揃っている…誰もが最高のサイクリングの一刻を想像するであろう…。

しかしポンプとチューブをジョイントする金色のネジの様な物がないだけで、高級ロードバイクは唯の重量10Kgのバラストと化し、各種道具はそれをどうする事もできないのだ…。

私はピンチに陥った…。



しかしまだ私は慌てなかった。

その時点でのエアーはまだ『手入れの悪いママチャリ程度の空気圧』を維持していた。

復路の行程は約13Km…。

「この程度の距離であれば、まだまだ騙し騙し走って帰着する事もできよう」

そう思った私はブログ公園を出て走り始めた。

サドルの先端に座って、なるべく後輪に負担をかけない様に気を付けながら…。

「まあ…何だ…」

「『片翼だけになっても無事空母に戻った何とか中尉』とか、『片肺=エンジン一基停止=になっても冷静に緊急着陸した何とか航空の機長』と同じで、3年10ヶ月もの間ロードに乗り続けたベテランライダーの俺だからこそ、こういう事態にもクレバーに対応ができるんだな♪」

そんな満腔の想いに鼻腔を膨らませつつ移動していたのだが、関越の高架を過ぎた辺りで後輪に違和感を覚える様になり、安比奈親水公園に差し掛かった時には、ガタガタと異音を発する様になった…。

最早『スローパンク』ではない…『パンク』である…。

ここに至って、私は正真正銘、混じりっ気なしの窮地に陥ったのである!





続く…。
by shousei0000 | 2012-02-13 10:46 | 走行距離と短編日記


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