かくしてひょんな事から『最果て』の『北』な宇都宮に降り立った小生…。
初めて訪れる宇都宮の街…。
無限の哀しみを背負いながら、それを誰(たれ)とも分かち合えず、それどころか、話す相手すらないこの世界…。
「これ程沢山の人がさんざめいているのに…小生だけが独りなんだなぁ…」
「『群衆の中の孤独』か…」
そんな風に呟きつつ、あてもなく宇都宮の街を彷徨する…。
くすんだ地方都市とはいえ、それでも宇都宮にはネオンが満ち溢れている…。
『華やか』といえば華やかであり『賑々しい』といえば賑々しくもある…。
しかし今の小生にとっては、無色で乾燥した灰色の世界…。
まるで砂漠を独行するかの様に、虚しい気持ちを抱えながら彷徨を続けます…。
とその時、世界が反転した!
色の無かった灰色の世界が、ふいに鮮やかに輝き渡った!!
眩いばかりの世界が遠目に見える!!!
「あれは…何なんだろう…?」
最早感動する事も何かに気をとられる事もないと思っていたのに、人というものは哀しいもの…。
光を前にしてそれを無視する事はできない…。
最後の余力を振り絞って、小生はその光を確かめに歩き出したのでした…。
続く…。